韓国での投資プロジェクトが失敗したときのビザ対応 — D-8在留資格、まず何から手をつけるべきか
投資事業が失敗しても、D-8ビザがその日のうちに消えるわけではありません。残っている在留期間のうちに、届出・変更・再投資のいずれかを先に片づければ、在留を継続できる可能性があります。
対象となるのは、外国人投資企業を設立してD-8(企業投資)の資格で在留している投資家、法人が廃業・休業・資本欠損の状態に入った代表者、そして在留期限まで6か月を切っている方です。
廃業届の順序、在留資格の変更ルート、投資金の回収と外国為替の申告、再投資によるD-8の維持方法、出国期限が迫ったときの選択肢まで取り上げます。
事業が行き詰まってもD-8ビザが自動的に取り消されるわけではありません
ここが最も誤解されやすいポイントです。
法人が赤字を出した、営業を止めた——その事実だけで、出入国当局が自動的に在留資格を剥奪することはありません。
D-8は出入国管理法施行令 別表1の2の在留資格区分に基づき、外国人投資促進法上の外国人投資企業における経営・管理活動を前提として付与される資格です。その前提が崩れていないかが審査されるタイミングは、通常、在留期間の延長申請のときです。
問題はここから始まります。
延長審査までなにも手を打たずに持ちこたえようとしているあいだに、法人登記が解散したものとみなされたり、事業者登録が職権で抹消されたりすると、その時点で説明のための資料そのものが残っていない状態になります。
取消・不許可へ傾く実際の分岐点
実務では、次の状況が重なったときに資格取消や延長不許可の方向へ傾きます。
- 事業者登録が廃業または職権抹消されている
- 外国人投資企業の登録が抹消されている、または投資金がすでに回収されて国外へ出ている
- オフィスの実体がなく、賃貸借契約も終了している
- 代表者が長期にわたり国外におり、国内での経営活動の痕跡がない
- 投資金が設立直後にそのまま引き出され、事業に使われた記録がない
注意: 外国人登録事項に変動が生じた場合、出入国管理法第35条により、定められた期間内に変更届を提出する必要があります。所属機関の名称・所在地の変更、消滅などがこれに該当します。届出期限や対象項目は改正される可能性があるため、ハイコリアおよび管轄の出入国・外国人庁での確認が必要です。
まず見るべきは「残りの在留期間」
実務では、対応の方向性は残存在留期間によって分かれます。
6か月以上残っているなら、再投資や業種転換でD-8を活かす方向をまず検討します。
3か月を切っているなら、D-8の維持よりも別の資格へ乗り換えるほうが現実的です。
最近の類似ケースでも、残存期間を誤って計算し、変更申請のタイミングを逃してしまった例がありました。
自身の残存期間でどのルートが開いているかは、パスポートと外国人登録証を並べて見ながら判断してはじめて正確になります。
廃業・休業の際に先に処理すべき届出の順序
書類よりも重要なのは順序です。
先に廃業届を出してから在留資格を調べ始めると、選択肢は大きく減ります。
逆に、在留のルートを先に確定させてから廃業手続きに入れば、空白なく移行できます。
| 段階 | 処理内容 | 管轄 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1 | 残存在留期間・資格要件の点検 | 出入国・外国人庁 | 廃業届の前にまず確認 |
| 2 | 在留資格変更または再投資の方向を確定 | 出入国・外国人庁 | ルート確定後に次の段階へ |
| 3 | 外国人投資企業の登録変更・抹消 | KOTRA・外国為替銀行 | 外国人投資促進法に基づく手続き |
| 4 | 事業者登録の廃業届 | 管轄税務署 | 付加価値税の確定申告を伴う |
| 5 | 法人の解散・清算登記 | 管轄登記所 | 清算結了まで時間を要する |
| 6 | 外国人登録事項の変更届 | 出入国・外国人庁 | 期限を過ぎると過料の対象 |
休業で時間を稼ぐケース
事業を完全にたたまず、休業に切り替えておくという選択肢もあります。
法人と事業者登録を生かしておけば、再投資や業種変更へ転じる余地が残ります。
ただし休業期間が長引くと、延長審査では実体のない法人と読まれやすくなります。
休業が有利に働く区間と、かえって不利になる区間とに分かれますが、その境目は業種と投資規模によって変わります。
見落とされがちなポイント:従業員に関する届出
E-7やE-9の外国人従業員を雇用していた場合、雇用終了に関する届出義務が別途あります。
出入国管理法第19条に基づく雇用外国人関連の届出を漏らすと、代表者本人の在留審査においてもマイナス要素として表面化します。
ここが弱いと、その後ほかの資格へ変更するまで、タグのように付いて回ります。
在留資格の変更で生き残るルート
D-8をこれ以上引っ張れないと判断したら、変更の方向を見ます。
根拠は出入国管理法第24条の在留資格変更許可であり、どの資格へ向かうかは本人の学歴・経歴・国内在留歴によって分かれます。
| 変更ルート | 主な対象 | 実務上の要点 |
|---|---|---|
| D-10(求職) | 就職準備、再起業の準備中の投資家 | 点数制の要件を満たすかがまず先 |
| D-10-2(技術創業) | 起業アイテム・知的財産の保有者 | 創業移民プログラムの修了有無 |
| E-7(特定活動) | 学位・経歴保有、国内の雇用先を確保 | 職種コードと専攻・経歴の一致 |
| D-9(貿易経営) | 貿易実績をベースとした転換 | 貿易業固有番号と実績資料 |
| F-2 / F-5 | 点数制・長期在留の要件を満たす人 | 累積在留期間と所得要件 |
| F-6 | 国民の配偶者 | 婚姻の実体審査 |
実際に最も多く使われるルート
実務では、ひとまずD-10で資格を生かしておき、次の段階を準備するやり方が一般的です。
D-10は在留の空白を防ぐ緩衝区間の役割を果たし、そのあいだに再起業か就職かへ方向を定めます。
ただしD-10の点数制の配点表は改正が頻繁です。
本年度に適用される配点基準と自身の点数は、法務部 出入国・外国人政策本部の告示とあわせて個別に確認する必要があります。
E-7へ向かう場合に引っかかる箇所
投資家だった経歴が、E-7の審査でマイナスになることはありません。
たいていは、この段階で引っかかります——雇用先が要件を備えているか、国民雇用比率の基準を上回っているかです。
本人のスペックではなく、受け入れる会社側で止まるケースのほうがむしろ多いのが実情です。
実務のヒント: 変更申請は在留期限の直前ではなく、少なくとも1か月以上の余裕をもって受け付けてもらうほうが安全です。補正要求が一度入ると、その回答だけでも相当な時間がかかります。
投資金の回収と外国為替の申告を飛ばすと、後がこじれます
事業を整理しながら残った資金を本国へ送ろうとした段階で、止まってしまうケースが少なくありません。
外国人投資促進法に基づいて申告された投資金は、回収の段階でも手続きを踏む必要があり、外国為替取引法上の申告・報告義務も付いて回ります。
指定取引外国為替銀行を通じて処理するのが原則で、銀行は投資申告の内容と回収の根拠書類が噛み合っているかを見ます。
銀行が実際に確認する資料
- 外国人投資申告書および外国人投資企業登録証の写し
- 株式処分または減資・清算に関する取締役会・株主総会の議事録
- 税務署発行の納税関連証明
- 清算時の残余財産分配の明細
- 資金の流れを説明する口座取引明細
口座に資金があっても、流れの説明が弱ければ送金の段階で一気につまずくことがあります。
とくに設立時の申告金額と、実際の払込・使用の内訳が食い違っている場合は、その差をまず疎明しなければなりません。
注意: 外国為替関連の申告義務に違反すると、過料や取引停止につながる可能性があります。適用基準や申告対象は企画財政部および外国為替取引規定の改正によって変わるため、取引銀行での確認が必要です。
正確な費用と手続きは専門家へのご相談でご確認ください。 今すぐ無料相談のお申し込みを → 02-363-2251 / カカオトーク: alexkorea
費用は案件ごとに異なるため、無料相談の際に正確にご案内いたします。
再投資・業種変更でD-8を維持する方法
既存の法人をたたむとしても、D-8そのものを手放す必要はありません。
新しい法人を設立して外国人投資の申告をやり直し、要件を改めて満たすという道が開かれています。
核心はここです——既存の投資金がどのように費消されたのか、新たな投資金がどこから来たのかを、途切れさせずに説明することです。
同じ法人を生かす方法
- 業種(事業目的)を変更し、定款・登記を整理する
- 増資によって外国人投資持分を改めて確保する
- オフィス移転と賃貸借契約の再締結で実体を確保する
- 従業員採用によって実際の運営の痕跡を確保する
新法人へ移行する方法
- 新規法人を設立後、外国為替銀行へ外国人投資を申告
- 投資金の送金および払込資本金の確認
- 外国人投資企業の登録
- 勤務先変更または在留期間延長の申請
法令が定める最低投資金額の基準や認定範囲は、外国人投資促進法施行令の改正によって変わる可能性があります。
産業通商資源部とKOTRAインベスト・コリアの告知をあわせて確認し、自身の投資ストラクチャーにそのまま当てはまるかどうかは、別途の検討が必要です。
実務のヒント: 最初の事業の失敗理由を隠すよりも、何がうまくいかず、新しい計画がどう違うのかを書き出すほうが審査では有利です。実際の審査では、この説明が不足していると、再投資そのものが形式的なものと読まれてしまいます。

実際の審査で差がつくポイント
書類の量が多くても、通過が保証されるわけではありません。
差が出るのはここです。
審査官がまず確認すること
| 確認項目 | 審査ポイント | 弱いときに生じる問題 |
|---|---|---|
| 投資金の実体 | 払込・使用内訳のつながり | 形式的な投資と判断される余地 |
| 事業所の実体 | 賃貸借契約、現場写真、什器 | ペーパーカンパニーの疑い |
| 経営活動 | 契約書、取引明細、税金計算書 | 名目上の代表と判断される |
| 雇用状況 | 四大保険の加入者名簿 | 運営実体が不十分と判断される |
| 今後の計画 | 資金調達の根拠と売上予測 | 実現可能性が乏しいと判断される |
事業計画書でよく崩れる部分
長く書くことよりも、失敗の原因と対応策を具体的に記したもののほうが読まれます。
市況のせいにばかりすると、かえって信頼度が下がります。
売上予測は、根拠資料なしに数字だけを並べるとすぐに問い返されます。
管轄の出入国事務所ごとに補正要求の厳しさや処理期間が異なり、進められる窓口を見つけて合わせていく部分も実務の領域です。
在留期限が迫っているときの選択肢
期限が目前なのに何の準備もできていない状況なら、順序を組み替える必要があります。
無理に延長を申請して不許可を受けると記録が残り、その後の再申請で不利になります。
残された選択肢
- 在留資格変更の申請 — 要件を満たせる資格がひとつでもあるとき
- 出国を前提とした出国期限の猶予 — 清算・訴訟など整理すべき事案が残っているとき
- 自主出国後の再入国 — 新しい投資ストラクチャーを整えてD-8を取り直す方式
自主出国は損に見えても、記録をきれいに残す選択になり得ます。
不法滞在の状態に入ってしまうと、出入国管理法上の強制退去および入国規制の対象となり、その後に再投資をしても入国そのものが閉ざされます。
注意: 在留期限を過ぎると、そこから選択肢は一気に狭まります。期限まで30日を切っているなら、ためらわず管轄の出入国・外国人庁の訪問予約から押さえるべきです。
よくあるご質問
Q1. 法人が赤字だと、D-8の延長はすぐに断られますか?
赤字そのものが、ただちに不許可の理由になるわけではありません。
実際の審査では、事業の実体が残っているか、回復計画に根拠があるかをあわせて見ます。
ただし、売上がまったくなく従業員もいない状態が続けば、判断は変わり得ます。
Q2. 廃業届を出したら、D-8はその日で終わりですか?
廃業届を出した事実が自動的に在留資格を消滅させるわけではありませんが、届出対象の変動事項が生じた場合は、定められた期間内に出入国当局へ知らせる必要があります。
廃業の前に次のルートを決めておくほうが、はるかに得策です。
Q3. 投資金を回収して本国へ送りながら、D-8を維持できますか?
投資持分をすべて処分して資金を回収すれば、D-8の前提そのものが失われます。
一部のみ回収して要件を維持するストラクチャーが可能な場合もありますが、持分構成と残りの投資金によって判断は分かれます。
Q4. 事業に失敗した履歴があると、後日D-8を取り直すのは難しくなりますか?
過去の廃業歴だけで再申請が閉ざされることはありません。
過去の投資金がどう使われたのか、新たな投資金の出どころは何かを説明できれば、検討は可能です。
同じ失敗を繰り返す構図と読まれた場合、その時点で止まります。
Q5. D-10に変更したあと、またD-8へ戻れますか?
可能性はあります。
D-10で在留中に新規法人を設立し、外国人投資の申告を済ませれば、D-8への変更を申請するルートが開きます。
各段階の要件検討が先です。
Q6. 処理期間はどのくらいかかりますか?
管轄の出入国事務所、申請する資格、補正要求の有無によって変わります。
受付可能な時期や待ち状況は地域ごとの差が大きいため、進行の早い窓口を探して合わせる作業もあわせて入ります。
専門家への相談をお考えですか?
投資事業の整理と在留資格は、ひとつながりで動きます。
廃業届、外国為替の回収、資格変更をそれぞれ別々に処理した結果、順序が食い違って在留に空白が生じる——実務ではこの事例が繰り返されています。
ひとりで対応するのが難しいのは書類の作成ではなく、どの手続きを先に踏めば次の扉が閉じないのかを見極める部分です。
ビジョン行政士事務所(VISION Administrative Office)
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- メール: 5000meter@gmail.com
- カカオトーク: alexkorea
- 住所: (04614) ソウル特別市 中区 退渓路324、3階(ソンウビル)
費用は案件ごとに異なるため、無料相談の際に正確にご案内いたします。
ビジョン行政士事務所のサービス案内
- D-8 企業投資ビザの新規・延長・変更の代理
- 廃業・清算段階における在留資格の転換設計
- 外国人投資の申告および外国人投資企業の登録・変更・抹消
- 投資金の回収および対外送金に関する書類の検討
- D-10、E-7、F-2など代替となる在留資格の要件検討
- 出国期限の猶予および再入国準備のサポート
在留期限まで3か月を切っている場合は、まずご連絡ください。
法令および審査基準は改正される可能性があり、ご自身の案件にそのまま適用されるかどうかは、管轄機関での確認が必要です。
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