外国人株主への配当金支払いと源泉徴収、実務で詰まりやすいポイントから整理
外国人株主へ配当を支払う際に最初に確認すべきは、国籍ではなく居住地国と租税条約締結の有無です。 非居住者個人や外国法人が韓国法人の株式を保有した状態で配当を受け取ると、韓国の税法上まず源泉徴収が行われ、差額のみが送金されます。 配当決議から源泉税の申告・納付、外国為替送金、支払調書の提出まで、実務で頻繁にこじれるポイントを順序立てて整理します。
外国人株主の配当金源泉徴収、基本構造から
誰に適用されるのか
まず確認すべきは、株主が居住者なのか非居住者なのかです。 韓国法人が配当を支払う際、非居住者個人または外国法人株主に対しては「所得税法」および「法人税法」上の源泉徴収規定が適用されます。 居住地国を基準に判定するため、外国籍であっても韓国の居住者であれば一般居住者課税が適用されます。 通常はパスポートの国籍だけを見て判断するケースが多いですが、実際の審査では居住地国の証明書類の方が重要になります。
国内税法上の基本税率
国内税法上、非居住者個人の配当所得は源泉徴収の対象となり、外国法人の配当所得も同様に源泉徴収されます。 税率は「法人税法」および「所得税法」に明示されており、地方所得税が別途上乗せされます。 具体的な税率は毎年の税法改正の可能性があるため、ご自身の案件に適用される現行税率は国税庁の告示基準で確認する必要があります。
注意: 租税条約が適用される場合、国内税法の税率より低い制限税率が適用される可能性がありますが、条約の適用を受けるには別途の申請と証憑書類が先行する必要があります。
租税条約の適用と制限税率、どこで分かれるのか
租税条約締結国の確認が最優先
韓国が租税条約を締結している国の居住者であれば、条約上の制限税率が適用される可能性があります。 条約上の配当制限税率は国別に異なり、持分比率の要件によっても変わります。 一定以上の持分を保有する親会社配当には、より低い税率が適用される条約が多いものの、基準となる持分比率や保有期間の要件は国ごとに異なります。 締結状況と条約原文は企画財政部と国税法令情報システムで確認可能です。
制限税率適用申請の書類
条約の適用を受けるには、「国際租税調整に関する法律」上の制限税率適用申請書と居住者証明書を、源泉徴収義務者(韓国法人)に提出する必要があります。 居住者証明書は株主の居住地国の税務当局が発給した原本でなければならず、発給日基準の有効期間が定められています。 書類が遅れると、いったん国内税法の税率で源泉徴収が行われ、その後更正請求によって還付を受ける手続きへ移行することになります。 還付手続きには時間がかかるため、最初から書類を整えて申告するほうが望ましいです。
| 区分 | 国内税法適用 | 租税条約制限税率適用 |
|---|---|---|
| 適用要件 | 別途申請なしで自動適用 | 居住者証明書+申請書の提出 |
| 税率 | 国内税法の基本税率+地方税 | 条約別の制限税率(国・持分比率ごとに異なる) |
| 還付の可否 | 還付事由発生時に更正請求 | 事前適用が有利 |
| 処理期間 | 即時 | 書類準備期間が別途必要 |
配当決議から送金まで、手続きの順序
株主総会または取締役会の決議
配当は定時株主総会の決議で確定し、中間配当は定款に根拠がある場合に取締役会決議で行うことが可能です。 決議の際には、配当基準日、配当金額、支払時期を明確に定める必要があります。 外国人株主が多数の場合は、決議の議事録や通知手続きにおいて、英文書類を別途整える必要があります。
源泉徴収後の送金
配当支払日に、源泉徴収義務者(法人)が税額を控除したうえで差額を株主に支払います。 外国人株主へ海外送金する場合は、外国為替銀行に対し、配当送金であることを証明する書類を提出する必要があります。 通常、株主総会議事録、源泉徴収領収書、租税条約申請書の写しなどが求められます。 銀行ごとに要求書類の範囲が少しずつ異なるため、送金前に取引銀行へ確認するほうが望ましいです。
実務のヒント: 配当決議の時点と実際の支払時点が異なる場合、源泉徴収義務の発生時点は「所得税法」上の支払時点が基準となります。決議だけしておいて支払を先延ばしにすると源泉税の申告時期が変わりますが、同時に加算税のリスクも生じます。
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源泉徴収の申告・納付、スケジュールと書式
申告・納付期限
源泉徴収した税額は、支払日の属する月の翌月10日までに、所轄税務署へ申告・納付する必要があります。 期限を逃すと加算税が課され、外国人株主が多数の場合、漏れが1件あるだけでも後日の修正負担が大きくなります。 申告書式と納付方法は国税庁ホームタックスで処理可能です。
地方所得税の別途申告
源泉税のほかに、地方所得税も別途申告・納付する必要があります。 所轄の市・郡・区庁に申告し、ウィタックス(Wetax)を通じて処理されます。 この部分が抜けるケースが多いため、国税の申告と合わせて必ず確認する必要があります。

支払調書の提出と事後管理
支払調書の提出義務
配当を支払った翌年の所定の時期までに、非居住者・外国法人へ支払った所得の支払調書を提出する必要があります。 提出期限と書式は「所得税法」および施行令に明示されており、外国人株主の識別のため、居住地国・納税者番号などが含まれます。 支払調書の漏れや誤りは加算税の対象となり、今後の還付や更正請求の際の根拠資料としても用いられます。
居住者証明書の保管
租税条約を適用して制限税率で源泉徴収した場合は、居住者証明書の原本を一定期間保管する必要があります。 税務調査の際に証憑として提示する必要があり、保管期間内に紛失すると条約の適用が否認される可能性があります。 保管期間と形式は案件ごとに異なる可能性があるため、ご自身のケースに適用される基準は相談を通じてご確認ください。
外国為替銀行での送金、よく詰まるポイント
送金事由の証憑
配当送金は「外国為替取引法」上、申告義務が免除される経常取引に分類されますが、送金事由の証憑は銀行が要求します。 通常、株主総会議事録、源泉徴収納付領収書、送金申請書が基本セットです。 銀行が追加書類を求めてきた場合は、拒否するより速やかに提出するほうが望ましいです。
送金名目の一致
配当ではない別の名目(借入金返済、役務代価など)で送金すると、外国為替取引法違反となる恐れがあります。 名目の一致は、送金段階で最初に確認すべき部分です。 外為報告および関連規定は韓国銀行と企画財政部で確認可能です。
注意: 最近、外為の申告・報告規定が一部改正されました。ご自身の送金案件に適用される最新の手続きは、取引銀行または専門家への確認が最優先です。
実務でよく詰まる部分
居住者証明書の発給遅延
居住地国での居住者証明書の発給が遅れる場合は、いったん国内税法の税率で源泉徴収したうえで還付を受ける方向に切り替える必要があります。 還付は更正請求期限内であれば可能ですが、時間と書類の負担が大きくなります。 最近の類似事例では、居住者証明書の発給遅延により、還付が1年以上遅延したケースがありました。
持分比率要件の誤認
租税条約の制限税率のうち、親会社配当の優遇税率には、持分比率要件と保有期間が付随するケースが多いです。 持分比率の基準や保有期間の条件は国別に異なるため、まず条約原文の確認が必要です。 この部分が甘いと、申告は通過しても、後日の更正時に否認される可能性があります。
中間配当と決算配当の混同
中間配当と決算配当は、決議の主体や手続きが異なります。 中間配当は定款に根拠規定がある場合にのみ可能であり、外国人株主への通知時期も別途管理する必要があります。
| 項目 | 決算配当 | 中間配当 |
|---|---|---|
| 決議主体 | 定時株主総会 | 取締役会(定款根拠が必要) |
| 時期 | 決算期終了後 | 会計年度の途中 |
| 限度 | 配当可能利益の限度 | 直前決算期の配当可能利益の限度 |
| 源泉徴収義務 | 支払日基準で発生 | 支払日基準で発生 |
よくあるご質問
Q1. 外国人株主に配当を支払う場合、必ず源泉徴収しなければなりませんか?
はい。非居住者個人や外国法人株主に配当を支払う韓国法人は、源泉徴収義務者となります。 租税条約の適用有無にかかわらず源泉徴収自体は行われ、条約適用時は税率のみが変わります。
Q2. 租税条約の制限税率の適用を受けるには何を準備すべきですか?
株主の居住地国の税務当局が発給した居住者証明書の原本と、制限税率適用申請書が基本です。 持分比率の優遇税率の適用を受ける場合は、株主名簿や保有期間の証憑が追加で必要になることがあります。
Q3. 居住者証明書の到着が遅れた場合はどうなりますか?
支払時点で書類がなければ、いったん国内税法の税率で源泉徴収する必要があります。 その後、居住者証明書を整えて更正請求すれば還付が可能ですが、処理に時間を要します。
Q4. 配当送金時、外国為替銀行ではどのような書類が求められますか?
通常、株主総会議事録、源泉徴収納付領収書、送金申請書が求められます。 銀行ごとに追加書類の範囲が異なるため、送金前に取引銀行へ確認するほうが望ましいです。
Q5. 源泉税の申告期限を逃すとどうなりますか?
支払日の属する月の翌月10日までに申告・納付する必要があり、期限経過時には加算税が課されます。 外国人株主が多数の案件は、漏れが1件あるだけでも修正負担が大きくなるため、スケジュール管理が要となります。
Q6. 中間配当も外国人株主に支払えますか?
定款に中間配当の根拠があれば可能です。 ただし、取締役会決議、通知時期、外国為替送金手続きが決算配当とは別に整理されている必要があるため、初めて行う場合は事前検討が先決です。
専門家への相談が必要ですか?
外国人株主への配当と源泉徴収は、決議・申告・送金・事後管理がすべて噛み合って初めてスムーズに進みます。 租税条約の適用と居住者証明書の準備時期、外国為替銀行での送金名目の一致が、実務で最も頻繁にこじれるポイントです。 費用は案件ごとに異なるため、無料相談時に正確にご案内いたします。
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