外国人法人の資本金増資手続きと届出、実務の順序で整理
外国人法人の資本金増資は、外国人投資申告の変更 → 投資金の送金 → 新株発行の取締役会/株主総会 → 登記 → 事後変更申告の順序で進められます。
対象は、外国人投資促進法に基づいて登録された外国人投資企業(FDI法人)、および外国人が株主として参加している一般の国内法人です。
本記事では、FDI法人の有償増資を中心に、実務で最も詰まりやすい順序・書類・申告のポイントを取り上げます。
外国人法人の増資、基本構造から押さえる
増資の二つの形態
外国人法人の増資は、大きく有償増資と無償増資に分かれます。
有償増資は、外国人株主が実際に送金した資金が入金され、資本金が増加する仕組みです。
無償増資は、剰余金を資本金に組み入れる形態であるため、送金自体は発生しません。
実務上は、外国人株主が追加資本を投入する有償増資が最も一般的です。
特にD-8ビザの更新や、資本金要件を満たすために増資を検討するケースが多く見られます。
外国人投資促進法上の届出対象に該当するか
最初に確認すべきは、自社の法人が外国人投資促進法上の届出対象に該当するかどうかです。
外国人が1億ウォン以上を投資し、議決権のある株式の10%以上を保有していれば、FDI法人としての登録が可能です。
すでにFDIとして登録されている法人が増資を行う場合は、外国人投資申告書を新たに提出するか、変更申告を行う必要があります。
詳しい根拠は、産業通商資源部および法制処国家法令情報センターで外国人投資促進法第5条・第6条を確認してください。
届出対象に該当するかの判断が曖昧なケースは実務でも多く、ご自身の持分構造によって結論が変わるため、事前のチェックが必要です。
増資前に最優先で確認すべき3つのポイント
定款と発行予定株式総数の確認
見落としやすいのは、定款上の発行予定株式総数を超過しないかどうかです。
定款で定められた発行予定株式総数を超える場合は、定款変更から行う必要があるため、株主総会の特別決議が追加で求められます。
この点を見落とすと、登記の段階で即座に止まります。
増資前に定款の写しを開き、発行予定株式総数・1株あたり額面・株式の種類をまず確認してください。
既存の外国人投資申告内容の点検
過去に登録されたFDI申告金額、実際の送金履歴、資本金登記額が一致しているかを確認する必要があります。
実務では、過去の申告時点での為替適用ミス、未登記の残額、韓国銀行への報告漏れなどが頻繁に見つかります。
増資申告を進める過程で、過去の漏れが芋づる式に明らかになることもよくあります。
資本金要件とビザとの関連
意外と詰まりやすいのがビザ関連です。
D-8(企業投資)ビザを保有する外国人代表者の場合、増資後の資本金がビザの要件と矛盾しないかを確認する必要があります。
増資そのものよりも、ビザ更新時に資金の出所説明がより複雑になるケースがあります。
ご自身のビザの種類による影響はケースバイケースで異なるため、正確な適用は事前相談で確認してください。
外国人投資申告と送金の段階
外国人投資申告書の提出
増資に伴う外国人投資申告は、KOTRAまたは外国為替銀行を通じて行うことができます。
申告時に必要となる基本書類は、以下の表にまとめます。
| 区分 | 書類名 | 備考 |
|---|---|---|
| 投資家 | 外国人投資申告書 | 新株引受方式を明記 |
| 投資家 | 国籍証明書類 | パスポート写しまたは法人登記簿 |
| 法人 | 取締役会議事録(予定) | 新株発行の決議 |
| 法人 | 事業者登録証の写し | 韓国法人 |
| その他 | 委任状 | 代理申告の場合 |
申告は一見シンプルに見えますが、実際は投資方式の分類と出資比率の計算で詰まるケースが多くあります。
投資金の送金と外国為替銀行の手続き
申告が受理されると、外国人株主は本人名義で韓国法人の口座に資本金を送金します。
送金時は必ず**「資本金払込(外国人投資)」**目的として表記される必要があります。
ここで差が出ます。単なる送金として入金されると、後で資本金として認定するのに支障が出て、整理し直すことになります。
送金後は、外国為替銀行で**外国人投資企業登録証明書(変更)**の発行手続きを行います。
銀行ごとに処理期間と要求される様式が少しずつ異なるため、最も早く処理してくれる銀行を事前に確認しておくと良いでしょう。
送金エビデンス資料の確保
実務では、送金領収書、外貨買入証明書、入金確認書をすべて保管しておく必要があります。
これらの資料が弱いと、その後の登記・税務・ビザの段階で資金の流れの説明が崩れます。
実務のヒント: 送金のメモ欄に「Capital Increase / Shareholder Name / Company Name」を英語で明記すると、銀行側の認識ミスが減ります。
新株発行と法人登記の段階
取締役会・株主総会の決議
資本金の増資は、会社の形態によって決議機関が異なります。
株式会社の場合、定款に委任がある場合は取締役会の決議で可能ですが、委任がない場合は株主総会の特別決議が必要です。
根拠条文は商法第416条ほかで、法制処国家法令情報センターで確認できます。
議事録には、新株数、発行価額、払込期日、引受人を正確に記載する必要があります。
新株の引受と払込
外国人株主が新株を引き受け、送金資金が資本金口座に入金されれば払込が完了します。
払込完了日を基準として、登記事由が発生します。
注意: 払込期日までに資金が到着しない場合、その部分の新株は失権処理となり、手続きを最初からやり直すことになります。
変更登記の申請
資本金の変更登記は、払込日から2週間以内に管轄の登記所へ申請する必要があります。
期限を超過すると過料が課される可能性があります。
登記書類は通常、以下の構成で進められます。
| 書類 | 作成/発行主体 | 備考 |
|---|---|---|
| 変更登記申請書 | 法人(代表取締役) | 資本金・発行株式総数の変更 |
| 取締役会または株主総会の議事録 | 法人 | 公証の要否を確認 |
| 株式引受証 | 新株引受人 | 外国人株主の署名 |
| 払込証明書 | 外国為替銀行 | 資本金口座への払込確認 |
| 外国人投資申告書の写し | 投資家 | 受理済みの申告書 |

今どの段階で詰まっていますか
増資は一つの段階でもズレると、登記・税務・ビザが同時にこじれます。
正確な費用と手続きは、専門家への相談で確認してください。
相談電話 02-363-2251 / カカオトーク alexkorea
費用は事例ごとに異なるため、無料相談時に正確にご案内します。
増資後の事後申告と税務処理
外国人投資企業の登録変更
登記完了後は、外国人投資企業登録証明書の資本金・株式数を変更する必要があります。
外国為替銀行またはKOTRAを通じて変更登録を行います。
この段階を漏らすと、政府統計と実際の資本金が食い違い、後のビザ・税務調査の際に不一致が表面化します。
KOTRA外国人投資総合案内で変更手続きの概要を確認できます。
韓国銀行への外国為替取引報告
資本取引に該当するため、韓国銀行への外国為替取引報告の要件も併せて点検する必要があります。
送金段階での外国為替銀行への報告とは別に、ご自身の取引形態によっては追加の報告が発生する場合があります。
ケースごとの報告義務は取引構造によって変わるため、事前確認が必要です。
税務署への申告と株主名簿の整理
増資に伴う株式の変動は、税務署に提出する株式変動状況明細書に反映する必要があります。
法人税申告のタイミングで漏れると、加算税のリスクがあります。
株主名簿も、新株発行分を反映して再整理しなければなりません。
出入国関連の事後点検
代表者がD-8ビザを保有している場合、増資された資本金を基準に在留資格の変動事項が発生する可能性があります。
詳しいビザ手続きは、ハイコリアまたは出入国・外国人政策本部の案内を参照してください。
ビザへの影響はケースバイケースで異なるため、ご自身の状況は事前点検が必要です。
よく発生する実務上の問題と対応
送金名義が異なる場合
外国人株主本人名義ではなく、第三者名義で送金された場合、外国人投資としての認定が拒否される可能性があります。
法人名義、家族名義、別会社名義での送金事例では、実務上のトラブルが頻発します。
為替差で資本金がズレるとき
申告時の為替レートと実際の送金時の為替レートの差により、資本金が申告額と1ウォン単位でズレるケースは珍しくありません。
この場合、通常は実際のウォン入金額を基準に資本金が確定されるため、外国人投資申告の変更で調整します。
定款・登記の不一致
古くから存在する外国人法人の中には、定款・登記・税務資料が互いに異なる形で管理されてきたケースがあります。
増資申告の段階でこの不一致が一気に表面化し、作業量が2倍・3倍に膨らみます。
注意: 増資の直前に、定款・登記簿謄本・外国人投資登録証明書を並べて、資本金・株式数・株主構成が一致しているかを先に確認してください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 無償増資の場合も、外国人投資申告をやり直す必要がありますか?
A. 無償増資は送金が発生しないため、新規の外国人投資には該当しませんが、外国人投資企業登録証明書上の資本金・株式数の変更登録は必要です。ケースごとに処理方法が異なるため、事前確認が必要です。
Q2. 外国本社から直接送金せず、韓国子会社の口座に送金しても問題ありませんか?
A. 外国人投資として認められるためには、外国人株主本人名義の海外口座から、韓国法人の資本金口座に直接送金される必要があります。経由口座が入ると、資本金として認定されないケースが多くあります。
Q3. 増資登記は、送金後何日以内に行う必要がありますか?
A. 商法上、変更登記は払込日から2週間以内が原則です。期限を超えると過料が課される可能性があり、実際の課税基準は登記所ごとに確認が必要です。
Q4. 増資するとD-8ビザの更新に有利になりますか?
A. 資本金が増えることでビザ要件は補強され得ますが、資金の出所・売上・雇用などの他の要件も併せて審査されます。ビザ審査は資本金だけで判断されるものではありません。
Q5. 外国人株主1名が100%の持分を持っている場合も、増資手続きは同じですか?
A. 基本的な手続きは同じですが、1人株主の場合は株主総会の手続きが簡略化され、議事録の作成方法も変わります。定款での委任の有無により、取締役会の決議のみで進められるケースもあります。
Q6. 増資にかかる費用はどのくらいですか?
A. 登録免許税、地方教育税、登記手数料、行政処理費が資本金の規模に応じて変動します。費用は事例ごとに異なるため、無料相談時に正確にご案内します。
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外国人法人の増資は、外国人投資申告・送金・登記・事後申告・税務・ビザが一本の線でつながっています。
一つの段階が弱いと、後続の段階がすべてこじれます。
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