D-7ビザ書類と資格要件 — 実際の審査で合否が分かれるポイント
D-7ビザは書類そのものよりも、本社と韓国支社の関係証明、そして申請者の本社における1年以上の勤務経歴が合否を左右します。
海外本社・親会社で1年以上勤務した役職員が、韓国に設立された支社・連絡事務所・子会社へ派遣される際に発給されるビザであり、一般就労ビザ(E-7)とは審査ポイントがまったく異なります。
ここでは、D-7ビザの資格要件、本社・支社の関係証明、申請者個人の書類、実際の審査でつまずきやすいポイント、不許可事由と補正の方向性まで、まとめて整理します。
D-7ビザの資格要件 — 最初に確認すべきこと
申請者本人の要件
D-7は単に「本社の社員であればよい」というものではありません。
まず確認すべきは、本社または親会社で1年以上連続して勤務した経歴です。
ここでいう1年は、韓国へ派遣される直前の時点を基準に算出します。
休職期間や他のグループ会社での勤務期間は通常認められず、同一法人での連続在職期間が肝心です。
実務では、この1年がきっちり満たされていない状態で派遣辞令が出てしまい、申請段階でつまずくケースが少なくありません。
注意: 本社入社日と韓国赴任予定日の間が12か月未満であれば、申請自体が困難です。入社日の基準は社会保険加入日ではなく実際の雇用契約開始日ですが、出入国当局は客観的な証憑を優先します。
派遣機関の要件
申請者本人が要件を満たすだけでは不十分です。
韓国にある派遣機関(支社・連絡事務所・子会社)が、本社と資本・人事・業務上の従属関係にあることが必要です。
単に「取引関係がある韓国企業」というだけではD-7は出ず、この部分で資格そのものが分かれるケースが多くあります。
本社が韓国法人の一定比率以上の持分を保有していたり、本社の決定によって韓国法人の人事が決まる構造になっていることを、書類で示す必要があります。
詳しい法令は出入国管理法施行令別表1およびハイコリア査証発給案内で確認できます。
D-7ビザ必須書類 — 本社側書類
本社が準備すべき書類は、大きく3グループに分かれます。
本社の実在を示す書類
| 書類 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 本社事業者登録証の写し | 本社所在国で発行 | アポスティーユまたは領事認証が必要 |
| 本社法人登記簿謄本 | 法人の実体証明 | 発行日から3か月以内 |
| 本社財務諸表 | 直近会計年度のもの | 外部監査報告書を推奨 |
| 本社・支社の関係証明 | 出資比率、支配構造 | 株主名簿・定款など |
本社が実際に運営されているという事実を、客観的に示す必要があります。
特に本社財務諸表が弱いと、「派遣人員を維持できる本社なのか」という疑念がすぐに付いて回ります。
派遣決定に関する書類
- 本社名義の派遣命令書(または派遣決定書)
- 派遣事由と期間が明記された人事辞令文書
- 派遣期間中の給与支給主体と支給方式の明示
- 本社人事責任者の署名および社印
派遣命令書は形式よりも内容が具体的かどうかが肝心です。
「韓国支社業務の支援のため派遣する」程度の抽象的な表現にとどまっていると、補正要求が出やすくなります。
どのような業務を、なぜ本社から直接派遣しなければならないのかが示されている必要があります。
申請者の本社在職証明
- 在職証明書(本社発行、直近3か月以内)
- 経歴証明書(入社日~現在まで)
- 役職・職務記述書
- 直近1年分の給与明細書または源泉徴収票
- 本社における社会保険加入証明(国によって代替書類)
ここで頻繁に問題になるのが、在職期間と役職の一貫性です。
在職証明書上の役職と派遣命令書上の役職が異なっていたり、入社日が書類ごとに食い違っていると、すぐに疑念を持たれます。
D-7ビザ必須書類 — 韓国支社側書類
韓国側の派遣機関書類は、本社書類に比べて分量は少ないものの、審査における比重は決して小さくありません。
支社・子会社の基本書類
| 書類 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 事業者登録証の写し | 韓国支社または子会社 | 直近発行分 |
| 法人登記簿謄本 | 韓国法人の登記 | 発行日から3か月以内 |
| 外国人投資企業登録証 | 該当する場合 | 子会社形態の場合 |
| 賃貸借契約書 | 韓国事務所の実在証明 | 使用面積・期間を確認 |
| 社会保険加入者名簿 | 既存人員の状況 | 直近月基準 |
韓国支社が登記簿謄本だけで実際の事務スペースがないと、現地調査ですぐに問題となります。
実際の審査では、賃貸借契約書と事務所写真を併せて求められるケースが増えています。
招請事由書 — 書類の中で最も比重の大きい項目
招請事由書は、分量よりも本社からあえて派遣しなければならない理由が説得力をもって示されているかが肝心です。
長く書くよりも、次の3点が明確であることが重要です。
- 韓国支社が遂行する業務のうち、本社社員が直接処理すべき部分は何か
- その業務を韓国内の人材で代替できない理由は何か
- 派遣期間中に申請者が遂行する具体的な職務は何か
この説明が弱いと、書類がいくら揃っていても補正要求や不許可につながります。
実務上のヒント: 招請事由書には、本社社員にしか分からない技術・システム・顧客管理ノウハウなどを具体的に記載してこそ説得力が出ます。抽象的な「経営支援」ではほとんど通用しません。
D-7ビザの手続きの流れと期間
全体の流れは、査証発給認定書(COE)申請 → 在外公館での査証発給 → 入国後の外国人登録、という順序になります。
段階別の手続き表
| 段階 | 申請機関 | 主な書類 | 処理期間 |
|---|---|---|---|
| 1. 査証発給認定書の申請 | 管轄出入国・外国人庁 | 本社・支社書類一式 | 出入国により異なる |
| 2. 認定書発給後、本人へ送付 | 韓国側代理人 → 申請者 | 認定書番号の通知 | 即時 |
| 3. 在外公館での査証申請 | 本国の韓国大使館・領事館 | パスポート、認定書、写真 | 公館により異なる |
| 4. 入国後の外国人登録 | 居住地管轄の出入国 | 外国人登録書類 | 入国後90日以内 |
処理期間は出入国事務所ごとに差が大きく、同じ書類でもどの出入国に提出するかによって、結果が出る速度が変わることがあります。
本人の居住地または韓国支社所在地を基準に管轄が決まるため、管轄出入国を任意に変えることはできません。
処理期間が逼迫している場合には、最速で進められるスケジュールをご案内いたします。
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実際の審査でつまずきやすいポイント
書類を一通り揃えたにもかかわらず、補正要求が来たり不許可になるケースがあります。
現場で最も頻繁に目にするパターンは、次の4つです。
1. 本社・支社の関係が曖昧なケース
本社の持分保有比率が低かったり、本社と韓国法人が実質的には別会社に見えてしまうケースです。
株主名簿・定款・取締役会議事録などで、支配関係が明確に示されている必要があります。
この部分が弱いと、D-7ではなく別のビザ(E-7など)で検討する必要が出てくることもあります。
2. 1年勤務経歴の立証が弱いケース
在職証明書だけがあって、給与支給履歴や社会保険加入記録などがないと、出入国側は形式的な書類としてしか見ません。
本国の納税資料、銀行入金履歴などで、実際の勤務事実が客観的に示されてこそ通過の可能性が高まります。
3. 派遣の必要性の説明が抽象的なケース
「本社業務の支援」「経営ノウハウの伝授」といった表現だけでは、ほぼ補正が入ります。
韓国人材で代替不可能な具体的職務が何であるかを記載する必要があります。
4. 設立資本金・売上が弱い韓国支社のケース
韓国支社の設立から日が浅く売上がほとんどない状態で、派遣人員が多いと疑念を持たれます。
支社の運営資金フロー、本社からの送金履歴などを補正資料として加える必要が出てくることがあります。
最近、類似の事例で、本社送金の証憑と事業計画を併せて提出することで補正通過に至ったケースがあります。
ご自身の事例がどこに該当するか検討が必要な場合は、相談をおすすめいたします。
D-7ビザ不許可後の再申請 — 回復可能なケースと困難なケース
不許可が出たからといって、すべて同じ事由とは限りません。
回復可能なケースと、構造的に困難なケースを区別する必要があります。
回復可能性が高い不許可事由
- 書類不備または形式上の誤り
- 招請事由書の説明不足
- 本社在職立証資料の不足
- 韓国支社の実在証明の補正が必要
これらの場合は、補正の上で再申請すれば通過の可能性があります。
回復が困難な不許可事由
- 本社・支社間の関係そのものがD-7要件を満たしていないケース
- 申請者が1年の勤務経歴要件そのものを満たしていないケース
- 本社または支社の実在が疑われるケース
これらの場合は、単純な再申請よりもビザ種類の変更検討が先決です。
D-8(投資)、E-7(特定活動)など、他のトラックへの転換が可能かを先に検討するのが早道です。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 本社入社から11か月ですが、D-7の申請は可能ですか?
原則として1年未満では困難です。
ただし、本社の合併・分割などにより在職期間の計算が変わってくる事例もあるため、ご自身のケースで1年が認められるか確認が必要です。
Q2. 韓国支社が設立されてまだ6か月しか経っていませんが、D-7申請は可能ですか?
設立直後でも、本社・支社関係が明確で事務所が実在していれば申請は可能です。
ただし、運営実績が不足している場合は、本社送金の証憑、事業計画などの補正書類が追加で必要となります。
Q3. 本社社員ではなく子会社社員ですが、D-7は可能ですか?
申請時点を基準に、派遣辞令を出す会社での1年の勤務経歴が肝心です。
他のグループ会社での勤務期間は、通常合算されません。
Q4. D-7ビザで韓国に家族を呼ぶことはできますか?
配偶者と未成年の子はF-3同伴ビザで一緒に居住可能です。
別途の書類と手続きが必要であり、ご本人のD-7発給と同時に進めるのが効率的です。
Q5. D-7ビザの滞在期間はどれくらいですか?
初回発給時には通常1年以内の単位で付与され、延長申請が可能です。
延長時点では、本社・支社関係が維持されているか、申請者が実際に派遣業務を遂行しているかが、改めて審査されます。
Q6. D-7から永住権(F-5)への転換は可能ですか?
一定期間の合法滞在に加え、所得・税金要件を満たせばF-5への転換トラックがあります。
所得要件の基準は毎年変わるため、ご自身の時点における正確な要件は、ハイコリアまたは相談を通じてご確認ください。
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D-7ビザは、本社書類・支社書類・申請者書類が三角形のように噛み合って審査されるビザです。
一つの軸が弱いと、他の軸が強くても補正要求や不許可につながりやすくなります。
費用は事例ごとに異なるため、無料相談時に正確にご案内いたします。
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